平成24年8月23日(木)24日(金)札幌コンベンション
センターで開催された第16回日本看護管理学会年次
大会「未来の医療を牽引(リード)する看護管理」におい
て、役割拡大プロジェクトの取り組みが採択され、ポスタ
ー発表してきました。
役割拡大プロジェクトでは、医師の補足説明を担う看護
師の能力を育成するための教育プログラム開発に取り
組んでおり、研究的視点から根拠のあるプログラムを開
発する過程において、昨年度は、外来説明室の看護師
が受ける質問・相談を分析し、研究結果をまとめました。
今回は、プロジェクトメンバーの笹井師長が「がん診療
連携拠点病院外科外来看護師が医師診察後の5大が
ん術前患者から受ける質問・相談の分析」というテーマ
で 発表を行いました。
この研究において、患者の質問相談内容から≪病状
と検査・治療の意味と関連≫ ≪術前の身体管理≫≪手
術が身体に及ぼす影響≫≪重要他者・家族問題の調
整≫ ≪入院期間と社会復帰の目安≫≪検査・治療・入
院費用≫≪精神的負担への対応≫の7カテゴリを抽出
し、外来診察の限られた時間内では、高度な医療の内
容を理解し、納得が得られるまで、医師に質問しづらい
状況が伺え、診察後の補足説明を行う看護師への期待
が大きいことがわかりました。
このことから、診察終了後の患者の意志決定の状況を
看護師が確認することは、患者中心の看護を行うため
に重要な役割であり、そのためには医師と患者・家族が
十分な意思疎通をとり、よりよい意思決定を行えるよう
に、看護師が補足説明を担える能力が必要であると考
察をまとめました。
医師に代わって、患者の身近にいる看護師が補足説明
を担う必要性を改めて感じ、今年度は、「医師が看護師
に行ってもらいたい患者への説明内容」や「患者が看護
師に求める説明内容」について、ニーズ調査を実施した
結果を検証しているところです。
これらの結果を基に、看護師に必要な能力を明らかに
し、それを獲得し役割を担うことのできる看護師の育成
のためのプログラム開発に取り組んでいきます。