平成25年10月26日、仙台市情報・産業プラザで開催された東北大学看護GPフォーラムに参加しました。
基調講演では「職場での人材育成とOJTリーダーの教育」と題し、東北大学大学院経済学研究科 藤本雅彦先生からの講演がありました。現場での教育方法の手順の原則(仕方を教授→模範を見せる→仕事を割り当てて監督する→フィードバックして気づかせる)、経験的学習のプロセスモデル(具体的経験→内省的観察→抽象的概念化→仮説検証)について、また現場での職能専門教育における人材育成サイクルについて学びました。
実践報告内容は以下の通りです。
①教育指導者育成プログラムのデザインと特徴
②教育力向上の為の具体的内容とポイント
③看護師長として取り組む教育指導者育成と活動の支援
④教育指導者としての活動の実際と今後の課題
⑤教育指導者と看護師長へのインタビューから
⑥院外からプログラムを受講する機会の活用
東北大学病院看護部では、クリティカルケア看護実践力と教育力をかね備えた教育指導者の育成に取り組み、教育指導者育成プログラム(AOBAナース・プログラム)を開発しています。この取り組みは、教育力を「自ら学ぶ姿勢を持ち続け、他者の学びを導き支える力」と定義されており、自ら学ぶ姿勢を強化するために<実践と内省のサイクル>を展開することがプログラムの特徴となっています。どのコースもそれぞれのコースの最後にグループワークで振り返りを行うナラティブワークが取り入れられ、藤本先生の講義でもお聞きした実践と内省、それを概念化するプロセスが展開されています。またどの研修名も受講者の意欲を起こさせるようなタイトルが工夫されていました。
教育指導者の評価については、<学習成果>と<受講者の態度変化>を測定し分析されていました。<学習成果の測定>ではクリティカルケア看護実践力の客観的臨床能力評価と学生を対象にしたセミナー開催の自己評価・他者評価を、また<受講者の態度変化>では、教育指導者とその教育指導者が属する部署の看護師長にアンケートを行っています。指導の際の考え方や行動、待つことや相手の成長を願い自律を促すことの大切さ等受講者自身の学びと、受講者自身の学習意欲の高まり、全体の教育を考えるようになった等上司の評価が報告されました。
今回の報告会に参加し、人材育成の基本を再確認するとともに、当院における看護師の育成や、教育指導者が自ら学び、他者の学びを導き支えるという教育力の支援をどのように行うか、考えさせられる機会となりました。